新刊(監修)のお知らせ 発泡プラスチックの成形技術と応用展開(シーエムシー出版)
発泡プラスチックの成形技術と応用展開
★軽量化,省資源化,断熱効果などの機能性から環境問題やSDGs対策への貢献が期待され,ますます活用が広がる発泡プラスチック!
★成形法・発泡制御法や各種マトリックス材料への発泡成形のノウハウを詳説!
★自動車部材や断熱材など発泡プラスチックの用途例,バイオマス・生分解性樹脂を用いた発泡・多孔化技術も紹介!
商品コード:T1201
監修:秋元英郎
発行日:2022年3月10日
体裁:B5判、270ページ
ISBNコード:978-4-7813-1658-1
価格(税込): 58,300 円
出版社のサイト:https://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=8504
刊行にあたって
ご縁があって、シーエムシー出版さんから発泡の書籍に関するお話をいただくのは本書が4冊目になります。この数年の間に世の中が大きく変化しました。コロナ禍、地球温暖化によると思われる異常気象、プラスチックごみ問題、SDGsへの理解の進展などが挙げられるでしょう。
地球温暖化は大気中の二酸化炭素濃度上昇によって引き起こされますが、二酸化炭素濃度の上昇の原因として大きいのは化石燃料由来のエネルギーの大量消費です。エネルギーの消費削減に対してプラスチック業界として貢献できることが多くあります。その中で自動車部品の軽量化や住宅の断熱という場面では発泡プラスチックが多く使われています。
本書では発泡プラスチックを製造するための材料(主原料や発泡剤)、発泡用の装置、成形法、発泡体の用途例が多く紹介されています。ご都合により執筆いただけなかった内容もたくさんありますが、シーエムシー出版の石井友一朗様の粘り強い交渉により、魅力あるコンテンツになりました。私自身が実際に手に取ることを楽しみにしています。
さて、近年発泡プラスチックの製造プロセスでは成形機や発泡剤の添加方法の進展がめざましく、展示会では多くの機械メーカーが独自のプロセス技術を競っています。本書が発行される2022年は3年に一度のKショーがドイツで開催される年であり、予定通り開催されれば、発泡関連の技術が多く見られることでしょう。発泡用の材料も進化しています。近年は各材料メーカーが発泡専用グレードを投入されています。
プラスチックは我々の生活の向上と地球環境保護の両方に役立つ材料ですが、その一方で海洋プラスチックごみ問題が注目されるようになり、プラスチックそのものがバッシングの対象になってきています。プラスチックとして対応すべきことは、長持ちさせること、回収・分離しやすいこと、リサイクルしやすいこと、化石原料から循環可能な原料へのシフトなどが挙げられます。発泡プラスチックの業界でも環境問題への取り組みがなされており、本書でもその一部ですが紹介しています。
発泡の世界にいると業界内の変化が手に取るようにわかるのですが、新たに発泡を使ってみようと考えている方にはわかりにくく、何から手を付けたらよいか迷ってしまうでしょう。そのような方に是非本書を紹介してください。多くのヒントが得られると確信しています。
(秋元技術士事務所 秋元英郎)
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