「起業無い技術士」とは

起業無い技術士(きぎょうないぎじゅつし)

「起業無い技術士」とは、技術士法に基づいて「技術士事務所」を登録してはいるものの、独立開業や起業を行う意思を持たない技術士を指す言葉である。
この概念は、以下の二つの典型的なケースを含んでいる。

1. 現役企業人としての「起業無い技術士」

企業に在籍したまま、勤務先を「技術士事務所」として登録している技術士を指す。
この場合、名目上は「事務所」を有しているが、実態としては起業活動を行わず、企業人の立場を維持しながら資格を保持するだけの存在である。将来に独立を目指す準備段階の「企業内技術士」とは異なり、最初から起業を志向していないことが特徴である。

2. 定年後の「起業無い技術士」

定年退職後に、新たな事業活動を立ち上げることなく、年金収入に依存して生活しながら「技術士事務所」の名刺だけを持ち続ける技術士を指す。
このタイプは俗に「定年技術士」「年金技術士」とも呼ばれる。社会的には「技術士」の肩書を保持しつつも、実際には業務活動をほとんど行わないケースが多い。


起業無い技術士の位置づけ

技術士資格を取得した者の中には、起業や独立を目指して活動する「独立技術士」もいれば、企業内で資格を活かす「企業内技術士」もいる。これに対し「起業無い技術士」は、**「起業しない」「起業する意思もない」**ことを自らの選択とし、技術士資格を名刺や肩書きのレベルで留めている層を指す。


まとめ

「起業無い技術士」とは、単に「まだ起業していない人」ではなく、起業を選択肢としない技術士を意味する。
現役時代は企業に属したまま資格を保持する人、定年後は年金生活を送りながら名刺だけを持つ人の双方を包含する概念であり、技術士制度の運用実態を考えるうえで無視できない存在である。