プラスチックの加飾技術
加飾という言葉を辞書で調べると
「器物の表面にさまざまな工芸技法を用いて装飾を加えること。( 『大辞林 第三版』)」とある。
器物とはモノを入れるものであり、箱やうつわを指す。
すなわち、加飾という言葉の元々の意味は焼き物や塗り物のようなうつわや箱物に装飾を施すことを指す言葉であった。
近年、プラスチックに装飾を施す際に加飾という言葉が用いられるようになってきた。
特許庁が提供している特許検索サイト(J-PlatPat)で1993年から2016年までの期間、それぞれ1月1日から12月31日までに公開・公表された公報に、キーワード「加飾」が含まれるものが何件あるかを調べてみた。
その結果を図に示す。
1993年から2016年までの四半世紀で約5倍に増えている。これは何を意味するのだろうか。
1993年以前にもめっきや塗装といった加飾技術を用いたプラスチック製品は存在した。しかしながら、めっきと塗装を含んだ概念は必要としなかった。
近年、例えばプラスチックを金属のように見せる手法は多岐にわたり、めっき、真空蒸着、スパッタリング、銀鏡塗装、メタリック塗装、ホットスタンプ、フィルム貼り合わせ、材料着色等が実用化されている。
このように、同じ見栄えを得るための技術的な選択肢が拡大してきたことが、加飾という言葉を必要とし、特許文献にも使われるようになったのだ。
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